自分のことが伝わらない
初めて会う人に自分のことをどう伝えるか?
いつもなかなか難しい。
色々なことをしていても、それらを全て相手に伝えるのは不可能だ。
ましてや、口頭でならなおさらである。
だから、口頭で自己紹介する時は、伝える肩書は1つに限る。2つ以上何か言っても相手は混乱する。
人がその場で理解するのは、人一人に対してその人のやってることは1つだけだ。
でもそこにいる第三者が、僕のことを「こういう活動もしてる」「ああいう活動もしてる」と次々に紹介してくれる。それは嬉しいけど、情報が多く散漫になり相手が混乱してしまい、「何の人か分からないけど、色々やってて凄いんですね」と思われて終わりである。
それが嫌なので、自分で肩書きを整理して、自分の名刺を作るしかなかった。
一体どうしたもんだ…
肩書きは1つだけがベスト
上に書いたように、本当は肩書きは1つだけにするのがベストだ。
「自分はこれなんです!この人生を歩んでるんです!」と言っていれば相手の認識も早い。
日本では特にマルチに何かをやる人よりも、一つのことに打ち込んだ人が評価される。
色々なことを器用にこなす人が弾くピアノよりも、ピアノだけに打ち込んだ人が弾くピアノの方が、人の心に響くのだ。
「成功したければ一つのことだけをやりなさい」
誰が言ったか知らないが、そのような金言は真理だと思う。
それは、他人が人ひとりに対して覚える属性は一つだからである。
「Aさんは○○の人」以上。それ以上の情報は受け取れきれない。
だから、たとえ複数のことを器用にこなしていたとしても、一つだけに集中しているように見せるのがよいのだろう。
でも、それをするには色々な肩書きを切り捨てる度胸がいる。
なかなか、それができない。
アレやってますコレやってます、ナニもやってます、SNSはこことソコとアレとドレとで、ポッドキャストはコレで、YouTubeチャンネルはドレで、メールアドレスはコレで、ブログはコレ、電話番号はコレでLINEはソレ…
と、自分のパラメーターを正直に全部書いて、裏も表も文字だらけの名刺を作っていた。
こんな具合に。
「色々やってるんですね」と言われることが多い。情報が多くて、何の人か分からないのだ。
そんな名刺もらって、誰がそのURLにアクセスするのか?
誰がそこから僕に電話をするのか?
誰もしないだろう。
スパムメールのようなウザい名刺は、自分が何者なのかが伝わる以前の問題だ。
とにかく、他人が人ひとりに対して覚える属性は1つだけである。
「木こり BUBBLE-B」と書いてあったら、「ああ、この人は木こりなんだな」と。
「金塊密輸業 BUBBLE-B」と書いてあったら、「ああ、この人はヤバイことしてるな」みたいな。
自分はどんな人なのかを超絶シンプルな言葉で書く。
連絡先も何か一つで十分だ。
そこで、完全に割り切ってみた。
新しい名刺はこうなった
これが新しい名刺の表面。
肩書きは「1号店トラベラー・DJ」だけ。
名前は「BUBBLE-B」だけ。
上半分には様々なチェーン店の看板をコラージュしたもの。
裏面は「本店の旅」ブログのトップ画像とURL、そしてこのブログのトップ画像とURLだけ。
肩書きをいっぱい書くのも、TOY LABELとかSPEEDKING PRODUCTIONSとかレーベルを書くのも、全マ連とかも、全部やめた。
メールアドレスを書くのもやめた。
TwitterやInstagramのアカウントを書くのもやめた。
電話番号も無し。
「1号店トラベラーでDJ」、だけ。
不安になるほど情報が少ない。
でもBUBBLE-Bに連絡したければBUBBLE-Bで検索したらすぐにこのブログが出てくるし、それで十分。
曲作りもしているけど、それも全て「DJ」としてひっくるめる。それでいい。
ただ「1号店トラベラー」と「DJ」は、どうしても一つに出来なかった。1つは無理だった。でも2つに減らした。
情報を減らした分簡単になって、インパクトも強まったのではないだろうか。
と同時に、名刺というものがどんどん形骸化しているようにも思える。
ブログやTwitterやInstagramを見ればすぐその人にリーチしてしまうので、もう「名刺を渡す&名刺をもらう」という行為はただのイベントになっていると思う。
なので文字情報をズラズラ書くのをやめてみた。
いずれ、場末の居酒屋の入り口横にあるコルクボードにこの名刺を貼り付けてもらうことを夢見て。