試験に出る! 「あじわい回転寿司 禅」超スピード完全攻略方法 2012

  • 2012年5月25日
  • 音楽
  • 2件

IMG_1696

皆さんおなじみ、小田原のミラクルといえば「あじわい回転寿司 禅」だが、近年、噂が噂を呼び、土日などは大行列ができるほどになっている。

今やピークタイムになると50人待ち、1時間待ち、などはザラ! 店内も戦場の模様を呈しているのだ。

個人的には禅にはくつろぎに行く所ではなく、圧倒的な非日常を浴びに行く所だと思ってる。車に例えるとレクサスLSみたいな大きいセダンやエルグランドみたいなのではなくて、ポルシェ911ロータス・エリーゼのようなスパルタンな雰囲気。くつろぎよりも時間的濃さ、走りと刺激!そんなイメージが合うかと。

なので、ゆっくりくつろぐよりも、いかに効率的に刺激を得られるか?を考えるのが、禅の攻略の第一歩であると考える。

このお店を本格的に攻略するのはあらゆる意味で難しい。数多くの食通が、飽きずに通い続ける、舌を巻く。それだけに一筋縄でいかないような、難攻不落の部分も多い。

もちろん、普通に行って普通に寿司を食って帰る。それだけでも十分満足できるのだが、ここは是非、攻めてみたい。

攻略方法が見いだせずに迷う貴方、もしくはこれから初めて禅に行ってみるという貴方に、一つの目安である店内にいる2時間の間に、押さえておくべき点を取りこぼさないよう、食べ方ノウハウと個人的おすすめメニューを書いてみた。

人それぞれ好みはあると思うが、こんな食べ方もあるという風に見て頂ければ。

※下記、4名ほどで行くことを想定しています。

※店内、写真撮影は原則禁止です。

■いつ入店するのが良いのか?
土日だとほぼオールタイム混雑しているが、オープン時間である11:00少し前にお店の前にいることで、高い確率で開店と同時に入店できる。

その時間じゃない場合は根気よく並ぶか、比較的空いている夕方16:00-18:00、夜20:00-などに行くのが良いと思われる。ラストオーダーは21:30だ。

■どういう手段で行くか
都内から電車で行く場合、東海道線の小田原駅か、小田急の小田原駅となる。
新宿からだと、新宿駅9:30発の小田急ロマンスカー はこね11号に乗ると、10:50にはお店の前に到着できるのでちょうど良い。小田原駅からはタクシーだ。「禅まで」と告げるだけで100%連れていってくれるぞ。

車で行く場合、都内からだと東名高速を使う。厚木から小田原厚木道路に乗り、二宮で降りる。少し南下し、西湘バイパスの西湘二宮から小田原ICで降りるルートがおすすめである。
(2012年10月更新)

■常にペース配分を考えろ
2時間というと普通の回転寿司では長いようだが、時空の歪んでいる禅ではあっという間に過ぎてしまう。なのでボーっとしている暇は一切ない。効率良さと共に「何から食べて何を経て何に終わるか」といった起承転結を常に考えた過ごし方をするのが良いだろう。

毎年正月に行われる箱根駅伝。禅の前の道をランナー達が走り抜けていくが、区間ごとに大きく違う道と、それに伴う「勝つための戦略」が醍醐味である。
5区を制するものが箱根を制すると言われるが、禅のオーダーも箱根駅伝と同様、戦略的に行おう。ノンビリしすぎても、飛ばしすぎてもだめなのだ。そのペース配分をごくナチュラルに行えるようになると、禅・中級者までもうすぐだ。

■席に着くなりオーダーするものとはこれだ
厚焼き玉子」だ。

IMG_1662

決して派手なメニューではないが、禅の厚焼き玉子はオーダーしてから作り始める事が多く、ホクホクに熱くて柔らかいのが出てくる。なのでオーダーしてから5分ほど時間がかかる。
この玉子の時点でノックアウトされる人は多い。禅の始まりはいつも厚焼き玉子である。
ビールなどを飲む場合は同時にオーダーすると良いだろう。

IMG_1797
飲みやすい「ヒューガルデン・ホワイト」

■前半は寿司で攻めろ
禅は回転寿司屋さんであるため、寿司が回っている。
前半はオーソドックスに、普通の回転寿司屋にいる気分で、普段食べているような好きなネタをチョイスすると良いだろう。ただし、ついついエンドレスで食べがちなので、この時に食べ過ぎないことをおすすめする。前半に飛ばしすぎてはいけない。
寿司ネタはどれも肉厚でネタも新鮮、シャリも絶妙な味付けである。禅のはどちらかというと若干甘めのシャリだと思う。このシャリが特にやみつきになってしまう。
他の寿司屋さんで食べているネタと比べるのもよし、ここにしか無いような駿河湾の地魚に手を付けるもよし、である。地魚の場合は「地魚三昧」という名前で、三種の地魚を楽しめる。

■大トロもしくは中トロを、妥協せずにオーダーしろ
前半の寿司タイムの間に是非、「大トロ」、もしくは「中トロ」を食べていただきたい。禅の大トロは三崎港から1匹まるごと仕入れてきたマグロの最も美味しい部分が提供されているのだが、これ以上の大トロを回転寿司で見つけるのは至難の業だろう。ちょっと只者ではない強烈なパンチを食らったような衝撃を受けるはずだ。

IMG_2115

中トロでも十分素晴らしく、一般的な回転寿司屋における「大トロ」以上の水準であろう。
なお、オフピークタイムには、大トロ・中トロの中落ちを軍艦巻き状にしたものが限定で回り始めるので、こちらで余韻を味わうのもありだ。正式名称は無いが、マニアの間では「マグロのバケモノ」と呼ばれている。バケモノマグロ男、でも良い。(確か、禅内部的には何かしらコードネーム的名前が付いてたはず)

IMG_1807
狂ってるぞ!

■ふっくら穴子を忘れては困る
もう一つ、絶品ものとして「ふっくら穴子」がある。洋菓子のような異様な柔らかさに昇天出来るだろう。こちらも是非試して欲しい。

IMG_1829[1]

■前半の山場は「メタボ巻き」だろう
前半は寿司を堪能し、箱根駅伝だと5区に相当するのが、寿司の締めくくりにオーダーする「メタボ巻き」だ。もう説明は必要無いだろうが、ウニ・フォアグラを巻いたものにとびっこといくらがまぶしてある、足し算的発想で作られた巻き寿司のバケモノである。当然ここにしか存在しないオリジナルメニューだ。そのビジュアルショックと味に、話のネタとしても最高である。金銭的余裕があれば、さらに上位概念である「セレブ巻き」も試してみるといい。
このメタボ巻きで寿司は一旦シメだ。

IMG_1801
見よ、このヴィジュアル・ショック

※この時点で経過時間は入店から40分以内であることが望ましい。

■後半の始まりはテールステーキから行け
禅の一番の名物メニューと言えば「マグロのテールステーキ」である。

IMG_1665

これはマグロを1匹まるごと仕入れているお店だからこそ提供可能なもので、マグロの輪切りをそのままステーキにしたもの。味付けもしっかりされており、牛肉と見間違うようなメニューとなっている。630円というプライスも驚きであるが、1テーブル1皿限定なので注意。

このテールステーキからサイドメニュー編に折り返していく。

■ここぞとばかりにフレンチ料理をオーダーしろ
フレンチというのは中々敷居の高い食べ物である。
食べ物自体に罪はないが、「フレンチは高級であるもの」という刷り込みがそうさせている。だからフレンチレストランには入りにくいし、どんな食べ物があるか、我々庶民には分かりづらい。

禅という店は回転寿司という敷居の低さなのに、本格的なフレンチが味わえる稀有なお店なので、ここぞとばかりにフレンチ入門するのが良いだろう。価格も驚くほど良心的だ。

禅のサイドメニューは全て黒板に書かれており、名前だけを見ていてはそれがどんなメニューなのか想像できない。読むことすら困難だったりすることもある。しかしそれに怯えていては、もう一生フランス料理など食べることはできないだろう。
回っている寿司を取ることは受動的で楽チンであるが、後半、ここから先は攻めの姿勢で行くパートであり、クライマックスに向けて急速に盛り上がっていくところである。是非、存分に攻めて欲しい。
カジュアルに行くならば「ホワイトアスパラのソテー」「豚のいろいろなところテリーヌ」「レバーパテ」あたりからだと入りやすい。さらに踏み込むならば「イベリコ豚ホホ肉ビール煮」「フォアグラのソテー」が応用編な感じだ。そしてブルーチーズのソース系である「ウッフポシェ・アラフルムダンベールAOC」「ほうれん草のニョッキ」らへんに手を出すと、ここがお寿司屋さんであるということを完全に忘れてしまうのでとにかくおすすめである。

IMG_2116
イベリコ豚ホホ肉ビール煮

■ブレゼ系は早めにオーダーしろ
さらに禅には蒸し煮(ブレゼ)系メニューがいくつかあり、どれも絶品であるが、オーダー時から蒸し始めるので20分はかかることもあり、早めにオーダーすることを心がけよう。例えば上のテールステーキをオーダーする時点でブレゼを同時に注文すると、良いタイミングで運ばれてくる。
赤座海老と野菜のブレゼ」「帰って来た海老のカーニバル」も、猛烈におすすめのメニューである。

IMG_2117
赤座海老と野菜のブレゼ

■この時点でちょっと一旦
忘れた頃に回ってる寿司に手を出すのもアリだ。「えんがわ」「生サバ」あたりもお忘れなく。

※この時点で経過時間は入店から80分以内であると余裕が生まれる。

■クライマックスを迎えろ
いよいよ終盤だ。箱根駅伝だと2日目の第8区間といった所である。
一旦胃が落着いた所で、禅といえばこれをオーダーしてほしい。「イベリコ豚の生ハム」こと、ハモンイベリコ・デ・ベジョータ、48ヶ月熟成ものである。スペインのブルゴスから北に30キロにある標高1100mに位置するカサルバ社で作られ、輸入されている。この生ハムを仕入れる寿司屋さんは日本でここだけである。禅で過ごす時間の中で、最後の花火といえばこの生ハムである。

IMG_2089[1]

生ハム自体のこと、食べ方、などは分からなければ西尾店長に聞くのがベストであろう。ビールやワインなどと同時に楽しむとよりリッチな気分になれる。
最初に生ハムから行く人もいるが、味と香りが濃いので、自分としてはやはりラストに行くのをおすすめしたい。

■食後はこれだ
まだ終わらない。生ハムだけで昇天している人も多いだろうが、まだ続く。
次は「チーズ盛り合わせ」である。

IMG_1808

禅という店のチーズに対するこだわりは他の寿司屋の追従を許さない。(当然か…)
チーズは種類が難しいので、ここは西尾店長におまかせでやってもらうのが良いだろう。店内熟成されたものや、ハードコアな味のするブルーチーズ、クリーミーなものなど、あらゆるラインナップから盛り合わせを作ってもらえる。ライ麦のパン、サボテンのはちみつ、チリ産のレーズンと共に少しずつ味わいながら食べると良い。

■最後にオーダーするのは?
回転寿司店はプリンやケーキなどが寿司と一緒にレーンの上を回っていることが多い。禅もレーンの上をケーキなどが回っているが、それらのスイーツは一旦スルーし、店の入り口と反対側の角のショーケースに目をやってみよう。そこにあるのは「ブランマンジェ」「クリームブリュレ」といった自家製のスイーツである。既成品のスイーツとは一味違う。特にブランマンジェは絶品で、ピスタチオオイル、エスプレッソと共に味わい終わると、禅での全行程を終了したという満足感が確実に得られる。なお、ブランマンジェは塩を少しかけるのもアリだ。

IMG_2091[1]
これが禅オリジナル・ブランマンジェ

※ここまででジャスト120分というイメージ。

■まだ見ぬメニューも多い
このコースはあくまで一つの例であるが、禅での定番を押さえたつもりだ。情報量が多いので、あたふたしている間に何を食べたら良いのか分からない、何がどんなメニューか分からない、という人のために、一つの参考になれば幸いである。
寿司、お酒、サイドメニュー共にまだまだ種類があり、かつ、頻繁にメニューが入れ替わるため、自分ですら数十回となく来訪しているのにも関わらずまだ食べた事のない物も数多く、常に攻めの姿勢をし続けなければならない。禅を食べつくそうと思ったら、とにかく攻めの姿勢を崩さないことである。そのためには正しいペース、正しい順番を心がけることが肝心だ。かつ、手際よく。
今や超・混雑店であるが故、昼時などずっと待っているお客さんも多い。なので、スピーディに楽しむことを心がけるとみんながハッピーになれると言えよう。

それではみなさん、店で僕と会ったら握手! (注:スタッフではありません)